平尾敦のN.Y.日記 ♯1

◎平尾 敦のN.Y.日記 ♯1 (2013.09)

 2011年卒の平尾敦と申します。

 今夏よりニューヨークの国際写真センター(International Center of Photography)にて1年間、ドキュメンタリーとフォトジャーナリズムの勉強をさせていただくことになりました。
プログラムへの応募に際しては推薦状の作成をはじめ、稲門写真クラブの皆様から多大なるご支援をいただきました。そして、7月に開催していただいた壮行会では、ニューヨークでの生活ぶりを稲門写真クラブのホームページでレポートしてみないかというお話を頂きました。様々な業界の大先輩方に私のことを知っていただける貴重な機会と思い、拙文ながら書いていきたいと思います。
 
初回は大変恐縮ですが、私自身に関して書かせていただきます。
 
平尾 敦(ひらお あつし)
1987年 長野県生まれ
1988年 渡米 ロサンゼルで幼少期を過ごす
1993年 帰国 長野県の自然を駆け回った少年時代
1998年 再渡米 ロサンゼルスの日本人学校で小・中学校を卒業
2003年 帰国 早稲田大学高等学院入学
2006年 早稲田大学教育学部入学 同時に写真部入部
2009年 本年より2013年まで北アルプス北穂高小屋を撮影
2011年 新宿コニカミノルタプラザで個展「it is there」
                  コニカミノルタ フォト・プレミオ2011特別賞を受賞
      早稲田大学教育学部卒業
2012年 南アフリカの雑誌社にてインターン、タウンシップを中心に取材
2013年 再々渡米 ニューヨークICPに留学
 
少し説明に時間のかかる生い立ちのため、まずはじめに略歴を書かせていただきました。
また、在学中にはこの生い立ちを写真で表現することも試みました。お時間があれば、動画形式で公開しておりますのでご覧頂ければ幸いです。(http://www.youtube.com/watch?v=eaAP9zAWH-I)
 
このような経緯から8月1日に渡米した私には、アメリカに「帰ってきた」という感覚が少なからずありました。その反面、新天地でこれから這い上がっていくんだという感慨はあまりありませんでした。
 
ニューヨーク到着から1週間ほどで9月からの住処も無事決まり、8月の残り3週間ほどはロサンゼルスに住む姉のもとで厄介になることになりました。そこでふと思いついたのが「バスでニューヨーク入りしよう」という考えでした。調べてみると、所要時間は2D18H35M(2日18時間35分)、料金は180ドル(約18000円)。LCC(格安航空会社)全盛のアメリカで、そのさらに下をいく価格。一方で悪評も多く聞く交通手段ではありました。
しかし、「バスでニューヨーク入りする」という言葉の響きに完全に当てられた私はバスのチケットを予約しました。
 
出発3日前、ロサンゼルスのダウンタウンにあるホテルに移った私は、長距離バスのターミナルまで歩いてみることにしました。ターミナルはダウンタウンの中心部から7番通りを東に3キロほど進んだ場所にあります。そのうち東側2キロはスキッドロウと呼ばれる全米最大規模の犯罪多発地帯の外周部にあたります。
 
この距離にして3キロ、時間にして30分の間に景色はめまぐるしく変化します。せわしなく働くビジネスマンから浮浪者、ドラック中毒者、傷痍軍人まで。アメリカの縮図と言える風景がそこにはあります。(掲載写真3枚)
 
 
 
そんな景色を撮影しながら、「子供の頃絶対にやっちゃいけないと言われたことを大人になってからやってるんだな」という自分の原点を感じ、ロサンゼルスを出発点にして良かったのだと思いました。
  
次回は北アメリカ横断バス、ニューヨーク到着編を予定しております。 
 

「訃報」昭和34年卒・山中晴雄さんが亡くなられました

 昭和34年卒の山中晴雄さんが7月25日にお亡くなりになりました。骨髄の病気だったそうです。故人の遺言により葬儀の類いは一切執り行われなかったそうです。「写真の早慶戦」には第5回から10回まで毎回出品されておりましたが、今回は出品されないので心配していたところでした。