新時代のオンライン写真展に対するオンライン合評会についての感想
(早大写真部現役生とオンライン合評会を終えて)
コロナ禍における状況下で、早稲田大学写真部の現役生はリアルな写真展を開けずに苦戦を強いられています。新入生と上級生がリアルに顔を合わせられないという状況が続いています。
本来であれば会場を借りて「夏季展」という写真展を開催する予定でした。今回は、PCの特設サイト上でオンライン写真展の開催に踏み切りました。(2020年8月24日〜31日)
WEB上での写真展の開催は、写真部の歴史上初めての試みです。
部員たちの80点以上の作品を、PC上で拝見することができました。
現役生幹事長 Kさんから提案をいただきました。
「オンライン写真展の講評をOBの方々にお願いしたい」とのリクエストです。OBからは増田代表幹事代行、菊池さん、塩澤の3名が参加し、PC上で講評を行うことにしました。
現役生は6名の参加となり、中国、札幌…と場所を問わず顔を合わせることができました。菊池さん、増田さんは、貸し会議室を借りて、1台のノートPCでオンライン参加されました。私塩澤は自室からの参加です。
オンライン合評会というものも、写真部の歴史上初めての試みとなりました。
単写真、組み写真など、作品数は1人2点〜20数点はあったでしょうか。
1人につき約20数分、参加者6名で約2時間半ほどを要しました。
人物、心象風景、飛行機など被写体は様々です。
作品内容については、増田さんがレポートして下さっています。
2020年9月26日 投稿者: MASUDA をご覧下さい。
https://tomonphoto.com/2020/09/26/オンライン合評会を終えて%E3%80%80平成3年卒増田-智/
「Zoom」というオンライン会議を開くためのアプリ、そして「Google フォト」という写真共有サイトの2種類を使用しての講評となりました。
オンライン写真展は新しい試みですが、今後は標準化されていくのでしょうか。直接人様とお会いできないこの状況下では、やむ終えない手段ですが多くのメリットも感じました。
以下、オンライン講評をしてみてのOBの感想を記します。
1ヶ所に集まらなくても良い
場所、時間を問わない
海外、地方から場所を選ばずに参加ができる
面白かった
またやりたい
そこそこ
面と向かって言えないことも言える
違和感ない
人と会って直接話すこととは違う
これ、あれと言えない。
言葉で言わないと伝わらない
司会、進行役がうまく参加者の意見を取り入れていかないと、終始無言のまま終わる人が出る
一人の作品講評時間を決めて、ある程度守ることが大切
だらだら話していると時間オーバーになる
事前に撮影データ(ISO感度、SS、F値)を、Google フォトで見ることができる
撮影者の撮影意図などのコメント、文字情報をGoogle フォトで見ることができる
事前に写真作品をゆっくりと鑑賞できる
PCモニターによって写真の明るさ、色、コントラストがバラバラである
同一プリントを見るのとは違う
提出写真を事前にレタッチして、オリジナルと比較検討できる
事前に写真をレタッチするには、事前準備を要する
写真をレタッチするその過程を見たい
言葉だけではイメージできないことを、実際に見せることができる
写真をレタッチする過程、その操作については別途協議したい
講評会は、作品内容についての講評を中心とするべきである
技術的な操作法を披露することは別に考えたい
熱意を持っている学生に対しては、熱意を持って応えていきたい
以上、OBの感想です。
以下、早大写真部幹事長の感想を記します。
『私の率直な感想としては、「オンラインでもけっこういける」と思いました。菊池さんのご指摘があったように、写真の表示環境を工夫しないとディテールや繊細な色味についての議論が難しいことは今後の課題として挙げられると思いますが、表現意図や制作に関する議論はオンラインでも対面に遜色ないレベルで深めることができたという印象です。』
以上、新時代のオンライン写真展に対するオンライン合評会についての感想でした。現役生の早稲田祭の写真展の力作に期待しております。
案ずるより産むが易し。現役生とOBがオンライン上で交流を持てることに新鮮な驚きと発見がありました。まだまだ改善の余地はありそうですが、新しいコミュニケーションのツールとして慣れ親しんでいきたいと思います。リアルな写真展が開催できるようになってからも、オンラインと併用することで、より面白くなるのではないかと思います。
現役生、コロナに負けるな!
塩澤秀樹(昭和60年卒)