「第14回写真の早慶戦」が23日に終わりました。皆さまのご協力に感謝です。人気投票の結果は以下のとうりです。
*投票総数:615 慶応の勝ち:223 早稲田の勝ち:215 引き分け:151 無記名:26
8票差の接戦でした。
芳名帳に記載くださった方は、「三田写真会」369名、「稲門写真クラブ」352名でした。
早稲田大学校友会のホームページ http://www.wasedaalumni.jp/event/2019102802.html もご覧ください。
早稲田大学写真部OB会
久しぶりの現役生新人展にて合評会をやりました。
新装なった戸山キャンパスを初めて見て、トシを取ったことを実感しました。
新人が10名も参加してOB4名と現役生十数名での合評会は2時間を超えました。
「十代最後の」
枕投げのメインの写真があり、一瞬あれっと思う青いハイキーの写真3点が終わりゆく十代の寂しい気持ちを感じさせてくれます。(OB 増田)
個人差こそあれ、50年前から「十代」という言葉は特別なものとしてありましたが、「枕投げ」の文化が継承されていてちょっと嬉しかったのはどうしてでしょう。温かい気持ちになれた十代、この先のことを思うとチョッピリ不安になり、大切にしたい十代。そんな気持ちの伝わった展示でした。(OB 白谷)
「光」
お気に入りの場所からの夕日。フレーミングに関してどこまで入れるかで議論になりました。(OB 増田)
撮影者の自分の表現する気持ちをもっと大切にして欲しい、と思いました。好きでよく足を運ぶ場所から35ミリ一眼レフ+標準レンズでの撮影、とのことですが、望遠レンズも運んで欲しかった。乳剤で撮ってデジタル化する手間より前の一手間かと、思います。(OB 白谷)
「Nalu」
青い色のきれいさに尽きる写真です。デジカメの性能の勝利でしょうか。(OB 増田)
ハワイ語の「Nalu」は「水」の意味だそうです。言葉の響きまで考えて創った写真のようでした。何度も何度も試し焼きをして紡ぎだした一枚のようでした。画像の美しさに目を見張りました。(OB 白谷)
「大あくび」
まさにここぞという瞬間をとらえた写真です。(OB 増田)
よくぞシャッターチャンスを逃さなかったと思いますが、「実はこんなカットを撮りたかった」という言葉を撮影者から聞いてみたかった。(OB 白谷)
「無題」
出雲大社にいったときにふと見つけた不思議な場所、感じたものを映像化する難しさがあります。(OB 増田)
神々のおわします出雲の雰囲気を壊すような「人造物の違和感」を撮りたかったようですが、成功しませんでしたね。光の当たり方などについて一考してもらいたいものです。表現力をゲットして、気になる人・もの・ことをどんどん撮ってください。(OB 白谷)
「夏の日」
太陽に透けた花びら、複雑な雲の表情。黄色がいかに鮮やかに出るかが勝負でしょうか。(OB 増田)
美しさにたいする撮影者の目は素晴らしいと思いましたが、大変困難な表現に挑戦したものです。デジカメだから本当に難しい。(OB 白谷)
「夏色の佇まい」
Aula of Summer Color
緑の芝生に赤いワンピースの女性、偶然だそうです。(OB 増田)
左「波の音は遠かった We heard the sound of the sea from afar」
右「さざ波、溶けていく Waves melting」
こちらも偶然、塩を被ったレンズが描き出したおもしろい効果。シルエットの写真も含め物語が感じられます。(OB 増田)
インドかあの辺りの海岸だと一瞬思いましたが、江ノ島海岸だったとは!!。偶然とは言え素敵な写真をチョイスして、よくぞ見せていただきました。波の感じといい、水煙の立ち具合いい現世離れのできたカットでした。(OB 白谷)
「斜光を浴びて」
最多7枚を出品しているT君。鉄道愛が感じられる写真のほうが興味深いです。(OB 増田)
「Yokohama Summer Night」
左から「貴船七夕祭」「蹴上の桜並木」「昭和の面影」「seris201 別れの桜」「OSAKA STATION CITY」
ちょっと欲張りすぎかな?見せられる方はボーゼンとしてしまいます。(OB 白谷)
「神々の赤」
画像処理によっておそらくは何気ない風景が作品として成立しています。(OB 増田)
何事にも拘りは大切です。タイトルに考えさせられました。不思議な赤ですね。(OB 白谷)
「光よ、そして緑」
「戦痕」
今後レースの撮影をしたいというH君。ぜひ好きなものを思う存分撮ってほしいです。(OB 増田)
レースの厳しさに触れて、画面創りにも厳しくあって欲しいものです。(OB 白谷)
自分の孫のような新人部員の若者と、果たして言葉が通じるものか不安でしたが、問題なかったようです。表現を楽しむことは勿論、厳しさも楽しめるようになっていただきたいものです。(OB 白谷)
■■ 杉田重男(昭和48年卒)「耽羅立春クッ仮面劇」出版案内 ■■
この度、写真集を出版致しました。
「耽羅立春クッ仮面劇」で、韓国済州島に伝わる祭儀劇を足かけ6年にわたり取材撮影をして写真をまとめました。
題名:「耽羅立春クッ仮面劇」
発行: 創英社/三省堂書店
定価:¥1,800+税
全国の書店、ネット書店より注文可能ですが、
できれば、メール(s_sugita0717@yahoo.co.jp)にて著者に直接の注文をお願いいたします。
新納翔写真展「ヘリサイド」
2019年9月10日(火)〜9月28日(土)まで
東京都中央区築地にあるコミュニケーションギャラリーふげん社にて開催。
以下新納さんより
「10日より築地のふげん社で写真展を開催します。久しぶりにフィルムで作品制作した完全新作です。
行かれたことがあるか分かりませんが、京浜工業地帯の湾岸部は僕にとって違う時間軸が流れているように感じる異界なんです。
そのエリアをパノラマカメラで撮影しました。いやぁこのご時世、フィルムでやるのはしんどいですね。」
昭和40年卒の小川忠博さんが多摩美術大学美術館で写真展を開催しています。
「エターナル・アフリカ*森と都市と革命」展のなかでギニアビサウ、モザンビークでのアフリカ解放区ドキュメント写真が展示されています。都心では味わえない天井の高い広い会場に展示されたB2、B1の大伸ばしの写真をぜひ会場にて体感してください。10月14日までと長い期間開催していますのでぜひ足を運んでください。
http://www.tamabi.ac.jp/museum/exhibition.htm
「一部屋、42枚のB2とB1 5枚で展示しています。48年前のカラーからSCANした大伸ばしでゴミ、キズが目立つので10日ほど、SCANとレタッチ作業に没頭しました。50年近く、シリカゲル封印で色は何とか持ちました。機会があったらご覧ください。」小川忠博さんより
今回はミニ合評会はできませんでしたが見にいきましたので報告します。平3卒増田 智
昨年より作品数が少なくちょっと残念でした。
9月の新人展、そして早稲田祭を期待しています。
少し気になったのはタイトルが無題の作品が多かったこと。
作品名は自分の写真を理解して楽しんでもらう導入であると思うのですが、それがないと、私のような見る側は戸惑ってしまうこともあります。
今回のDM写真です。空のグラデーションにつきる写真です。構図も考えられていますが何か物足りなさを感じます。船や飛行機の光跡があったりしたらおもしろいかもしれません。
何気ない日常を切り撮ったのがよいです。今回の写真展では一番自分が表現できていたと思います。壁展示とブックを併用したらもっと形になりそうです。
生が「生命」なのか「生々しい」なのかわかれるところですがもう少しシャドーとハイライトの中間色を増やして階調豊かなやわらかい写真にしたほうがタイトルの意味が伝わるのではないでしょうか。
構図がしっかりしていて整理されているのはよいですね。
新時代を想起させる何か、令和の文字やデコレーションがあったほうが撮影者のシャッターを押す理由がわかるかもしれません。
背景の処理はうまくいっています。
ただ伝えたいのは街なのか人物なのか曖昧かもしれません。
あえて固い描写にして何気ないアジサイを表現しているのがよいですね。
背景のボケ具合も的確です。
幾何学的なおもしろさが作品の肝でしょう。
であれば正対して曲げないできっちり撮影したほうがよいかもしれません。