現役七月展にいってきました。

ここ数年続いている現役生の写真展訪問です。今回の七月展は一年生から三年生まで出品していたのでバリエーションに富んだ作品鑑賞ができました。

現役七月展にOBの菊池さん(昭42卒)宇野さん(昭45卒)と私、増田(平3卒)で伺い現役生とともにミニ合評会をやりました。

OBと学生10名ほどで2時間も立ちっぱなしで話していました。

OBの先輩方お疲れさまでした。

 Sくんの作品 無題

カメラマンを目指しているという彼は1年生のときから毎回いろいろな撮影の試みをして我々を楽しませてくれます。

今回の路上でホームレスを撮った一枚は会場で一番目を引くものでした。

本人からは「最近面と向かって人を撮れなくなったんです。」だそうです。

シャッターを押すことの重さを感じているのかなと勝手に思ったりもしましたがOBからは好意的な意見とともに「傾けたりしないで水平のほうがよいのでは」、「もう少し下を入れたら」とか指摘されていました。

 Hさんの作品「晩餐」

非常に雰囲気のある写真でした。

サーブしている男性のシルエットをアクセントにして赤いカーテンを炎に見立てたという表現意図だそうです。

OB菊池さんは「これは絵画では思いつかない写真でしか表現できないものだね」と高評価でした。

◆ Iくんの作品 「surface」

 

水面に写ったツツジと亀が顔を出した波紋を表現したかったそうです。

OB菊池さんからはもう少し水面がきれいだったらよかったのではという感想でした。

本人いわく水面のゴミが目立ったのでマット紙にしたそうです。?

他の作品でも構図の完成度が高いと評価されつつも写真の優位性、目で見ているものとは違う瞬間ゆえの発見やおもしろさがあったらいいのではという意見もありました。

「DIVE」


「Sooth me」


◆ Tさんの作品 「喜怒哀楽」

 

新入生の作品です。

左上が喜、右上が怒、左上下が哀、右下が楽だそうです。

OBからは「哀」だけでいいのではという意見がありました。

OB宇野さんから「写真は言葉に置き換えてはいけない」と厳しい一言。

画家のイヴクラインのように青の世界にこだわって写真を撮ってみてもよいねと話していました。

 Tさんの作品 「色付け」

 

夕日に佇む女の子、その瞬間に感じるものがありシャッターを押したそうです。

引き潮の時間帯でまだ濡れた砂浜に反射する夕日のオレンジがとてもきれいです。現役生のIくんがもっと細長いトリミング、1:3くらいで切ったら面白いかもねといっていました。

確かに作品としての完成度は上がりそうですね。

試しにだいたい1:3でトリミングしてみました。ぐっと波が引き立ち人物が生きてきた気はします。

「傍観」

 

◆ Uくんの作品 「群像」

 

非常に完成度が高くてOBはみな驚き、こういう写真が少ないんだよねと喜んでいました。

すべてノーファインダーと思いきや、3、40パーセントはフレーミングしているそうです。

確かに影を意識した写真はシビアな構図でした。

被写体に肉薄した写真はすごく魅力的でした。

それゆえに今後この表現をどう発展させていくべきなのかといった意見もありました。

それにしてもこれからが楽しみです。