平尾 敦のN.Y.日記 #4

◎平尾 敦のNY日記 #4(2014.03)

ニューヨークは20年ぶりの大寒波ということで、生粋のニューヨーカーたちも今年の冬は異常だと口々に話しています。我々学生も6月に展示する最終課題に向けて撮影を進めていますが、外で撮るテーマを持つ者にとってはかなり厳しい環境です。
 
厳しい冷え込みは続きますが、3月に入っていいニュースもありました。1月に申請していた奨学金の発表があり、成績優秀者を対象としたWall Street Journal のPhotojournalism Scholarshipを受賞することができました。
早稲田にいた時は奨学金を頂けるような成績とはほど遠かったことを思い、今は好きなことをしているのだなと実感します。
 
 
〖セントラルパークにて〗4X5
 
また、2月から始まった冬学期は、基礎中心だった秋学期とは大きく内容が変わりました。
奨学金や写真売り込みに必要な書類製作を学ぶWriting講座や、動画・音声・写真を一つの作品としてまとめるマルチメディアの講座、ジェームズ・ナクトウェイなど著名な写真家のプリンターとして知られるブライヤン・ヤング氏のモノクロプリント講座、4×5をつかった大判カメラの講座、他にも週末の集中講座にファイナルプロジェクトの撮影など、盛りだくさんの内容です。
 
 
〖イーストハーレムにて〗4X5
 
休みの日も課題に追われる日々の中で、最近ではニューヨークという街と写真家の距離の近さを感じます。例えばイーストハーレムを大判カメラを担いでウロウロしているだけで、「シノゴだろ?フィルムは何?」と話しかけられます。それも1人や2人だけではありません。時にはその場で「私は装丁をやってるんだけど、、、」と名刺交換や商談まで始まります。
 
この街に無名の写真家が何人埋もれているのだろうと考えるだけで恐ろしくなることもありますが、頑張ろうというやる気が自動的に充電される街とも言えるかもしれません。
 
まだ現在取り組んでいるテーマはお話できませんが、6月に向けてより一層頑張りたいと思います。
 
〖Brian Young氏の暗室講座〗