伊豆高原の池田20世紀美術館にて開催中の縄文 祈りの造形 小川忠博写真展を見にいってきました。
地下にある会場はかなりの広さですがそれを生かした大伸ばしの写真が随所に見られました。
特に入口に展示された特大の縄文文様の写真2点は圧巻です。
都内での狭いギャラリーに展示された小さい写真は近づいてまじまじと見ないとよくわからないことがよくあります。そういう行為になれてしまっている身としては作品との距離を保ちゆったりと鑑賞できるの気持ちのよさを味わいました。
中にはこんな面白い土器もありました。信仰としての意味合いとは別に縄文人の個性的な感覚と遊び心が感じられ楽しめました。
今回の写真展を見ていて、自分が20代の頃に山形酒田の土門拳記念館を訪れたときのことを思い出しました。入ってすぐに大伸ばしの奈良東大寺お水取りの写真がいきなり目に飛び込んできて圧倒されました。
小川さんの写真展も入口の大伸ばしの縄文文様2点で心を掴まれました。360度の土器の模様を平面化して一枚の写真にするスリットカメラの技術なくして実現できなかった素晴らしい作品でした。全体的には写真の大きさの強弱に気を配り飽きさせない展示でした。
ちなみに同行者は写真そのものというよりは写っている被写体の「物語」(たとえば出土した場所がどこにあるとか、その土器の使用用途はどういったのもか、そして縄文文様の解説等)をもっと知りたいようでした。