現役早慶写真部員の撮り鉄による写真展「撮り鉄早慶戦」
早大写真部OBの関根さんが店主をしているふげん社ギャラリーにて、「鉄道週間」と銘打ち、現役早慶写真部員の撮り鉄による写真展「撮り鉄早慶戦」を21日(土)まで開催しております。
ふげん社
東京都中央区築地1-8-4 築地ガーデンビル 2F
TEL:03-6264-3665 営業時間: 火-金 12:00-19:00、土12:00-17:00(日月祝休)
詳細URL→http://goo.gl/jQVWPL
関根さんは写真部現役時代は面白い視点で人物写真を撮っていて毎回新作をみるのが楽しみでした。
案内をいただいたのでさっそく足を運んでみました。
築地にあるギャラリーはブックカフェが併設されていて落ち着く空間でした。
そしてなんとこちらもOBの「写真の早慶戦」のように投票をしていましたので早稲田側にしっかり投票してきました。
定期的に開催する予定とのことなのでOBの「写真の早慶戦」と同時開催なんていうのもありですかねと話して帰ってきました。
平3卒 増田 智
春季展を見て 宇野敏雄(昭和46年卒)+
4月9日に白谷さん、宇野さんと私、増田で現役春季展に行ってきました。
幹事長のKくんの案内でその場にいた出品者の作品の合評会が始まりました。
今年の春季展は57点、20名あまりの出品者で見応えのある写真展でした。
宇野さんから総評をいただきましたので以下に掲載します。
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現役「春季展」行ってきましたので、作者本人と話しながら見た作品と、目についた作品数点について感想を若干。
先ず、Oさんの「青く、高く」…………空と海の青をコンパクトにすっきりとまとめた構成は、デザイン雑誌の一頁でも見ているようで、気持ちよく見れました。波の動きや青色に陰影、濃淡をつけ大きなサイズのプリントにして組み直せば、「青の多彩さ」をより印象付けられるでしょう。
K君の「夕景」…………場所、空間、色彩がよく計算されている。でも何かが微妙に足りない。シルエットの平面的な構成美か、写真固有の現実性か、どちらにも焦点を結ばない視線の宙吊りさが、いささか落ち着かない気分にさせる。橋の浮遊感がもう少し出ていればとか、橋のシルエットのメルヘン性と下部の海の描写の「現実感」がうまく噛み合えば不思議な面白い写真になったかもしれない。
La honte……
T君の「無題」(上)…………下手なのか、ミスなのか、勘違いなのか、偶然なのか、間が抜けているのか、意識したトリミングなのかノートリなのか、実は上手いのか、いずれにも類推できないのが高橋君の個性です。外国で撮った昨年の写真にも同じようなことを言い、日本や日本人を同じ手法で撮ってみてください、と言ったのですが、今回も昨年同時期の写真ということなので、技法的に進化したのか、手法を手の内にしたのか、評しようがありません。
カラーの桜の写真(La honte)もこれ一点だけでは同様です。個人的には高橋君の個性は好ましく思っています。がんばってください。
他にS君の「寂寥」…………絵作りも手堅く写真的感性も感じられる達者な写真ですが、タイトルは文学的、説明的ですね。「寂寥」という言葉の中に風景が閉じ込められています。言葉やイメージに囚われずにもっと色々な視点から果敢に自由にアプローチすれば、言葉の壁の外部からより生々しく迫力のある「もの」や「風景それ自体」が乱入してくるのではないでしょうか。
以上個々の作品に即しての勝手な感想ですが、「春季展」全体の印象にもひと言。
それは、みなさん、「良い写真」、「上手い写真」を目指すのはやめましょう、ということです。自分の見つけた視覚の中にもっと驚きが欲しいです。写真とは「驚き」を表現することです。撮った者自身の瞳を惑わせる、思ってもみない生々しく不穏な感情を引き起こす「画面」が生まれて「自分に驚く」経験をしないと、写真という「場」でステップアップできないということです。
(S45年度卒 宇野敏雄)
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Something Nice!(ブック形式でした)
トイカメラで何気ない日常風景を切り取った写真の数々が一冊のブックになって、なんとも言えない雰囲気をかもしだしています。
そこにはデジタルでは味わえない一瞬が記録されている気がします。
もの思う
鳥が好きで撮り始めたとのことだが、なかなか思うようなカットが撮れないようだ。カワセミが撮影のために餌付けされているという
話を聞いた。効率的に撮影するために餌付けされるのだろうか。
人間模様
パレルモのマッシモ劇場だろうか、観客の在り方が絶妙で見とれてしまった。プリミティブな写真の役割りに触れてほっとした。
椿季展を見て 昭和38年卒・土生一俊 +
椿季展にOB4名で行ってきました。
今回は初めて昭和38年卒の土生一俊さんが足を運んでくれました。
感想をいただきましたので現役生の作品とともに掲載します。
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思わぬ人から電話が入った。 OB会の代表幹事の白谷氏だ。現役の写真展『椿季展』を見に来ないかという。
突然の誘いに少し面食らったが、折角なので出かける約束をした。
多分、私が長年参画して続けてきた昨年の早慶写真展に出品しなかったこと、私の体調を気にしてくれてのことかと勝手に解釈して神保町にある会場に。
会場に入ると学生たちが初日前日の夕方のため、まだ慌ただしく最後の準備をしていた時だったので少々待ってから拝見することにしていたら、 OBの菊地(42卒)、白谷(45卒)の両氏も顔を見せにきた。
現役フリーカメラマン増田君もいたので、4人で拝見することにした。
まず私が感じたことは、作品の雰囲気が我々の学生時代40−50年前とは大きく変わっていたことである。50年もの前なので当然といえば当然であるが。
私たちの時代は学生運動、学園紛争等が盛んに行われていた時代であり、写真表現もおのずと先鋭的なもの、報道写真、ドキュメンタリーや映像論等が幅を利かせていた。まだ白黒が主流であり、カラーは後発なものであったので、色彩で見せる写真は少なく、コントラストや白や黒の濃淡で見せる表現が多かった。特に組写真は、テーマを強調、鮮明にするための構成(大小、全体と部分、アップ。ロング、時間差)等々に気をつけて、立体的に組み立てを考えていたように思う。
50年前の写真と現代の写真表現を論じ、比較してもあまり意味がないことであるが、今の写真(椿季展)を見て感じたことは、テーマの表現方法とか色彩表現と写真の組み方見せ方等が大分違っているなということだ。まず、色彩表現において我々に時代でいえば、調子が出てない早上げのようなパステル画のような表現がされている作品が、最近ここだけでなく若い人の写真でよく見られる。
奥や深みをベールして見せないことで安心感があるのかもしれなが、本格的な色彩感覚の写真にも挑戦してくれることも期待したい。
それから、テーマ、対象との距離感が意識的であるにせよ、いつもある程度の距離感を保っていることと、同じような画面での雰囲気写真が重複していることが気になった。これは組写真、連作に特徴的である。
これは、前述の今様の若者の色彩感覚、パステル画調と同じなのだと思う。一定の距離間で対峙するとは、深みや奥に近ずかないうことに同じだし、同じような写真を重複する見せ方も等質のものだと思える。
いずれにせよ、今の若者、大学生の気質を写真から垣間見ることは貴重な時間で楽しかった。
時代がその時に生きる若者たちをつくるのか、若者たちが時代をつくるのか。勿論、後者だろう。頑張れ若者!!
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「それでも」
造花のバラのように見えるマツカサだった。50mm、f1.4開放での撮影。前後のボケが気持ちいい。
2枚しか撮らなかったとのこと。もっとジックリと見つめて、もう少したくさん撮ってもらいたかった。
「レディー・フォー・ザ・ブルー」
写真を見た瞬間「セルフポートレート?」と訊いてしまったほど似ていた。瓜二つの姉妹。
冬の空気のシットリ感を表現したかったとのことだが・・・。点数をしぼった方が良かった。
「La réticence」
タイトルはフランス語で「ためらい」の意味。離陸待ちの機内からのスナップ。北海道に帰省して東京に戻るときの心情か。水滴は涙?
もっとたくさん撮りたかったが前の座席の人に叱られたので二三枚しか撮れなかったとのことだった。世の中色んな人が居るもんだ。
「 Arrival/Departure」
岸に停まるボートと沖に向かうボート。透明な未知の世界に向かうボートを選ぶ撮影者だった。
「朽つ」
タイトルは「朽ちる」の古語。稲村ケ崎の「海浜公園」に残る戦争の遺構。鎌倉のキレイなイメージを崩してみたかった。
姿勢はうれしいが説明を聞かないとさっぱり判らない種類の写真。ちょっと横浜写真の味わい。タイトルに工夫が必要か。
「殻」
最近昔の思い出が美化されてきているとのこと。高校のときに撮った写真を加工した。中心のカットに収斂させる方法か。
「靄靄」
もや、なんだがタイトルには深い意味が込められているようだ。もやのせいか全体にボーとしている。ピントが甘くしてあるようだ。ネガカラーで撮ってスキャナーにかけてデジタル処理をするのが普通だと思っていること。実に不思議な色彩感覚。
「はれはれ」
ローライコードでの撮影は「より光を表現できるかな」と思ってのこと。光が滲むところなど最近のデジカメにはできない芸当だ。ハレとケ。晴れた日のハレで「はれはれ」なんだって。
「00:00:00:01」
タイトルは映像のワンフレーム目の意味。「映像の中に写真が内包されている。動画の中から抽出したワンカットを写真という」昨今の姿勢に反撥を覚えて「写真を使って映像(動画)を想像させよう」という試み。
「 sheer/blur」
毎回「観念的な写真」を見せられる。今回は宮沢賢治の「春と修羅」と関係しているとのこと。春なのに修羅が好き。今回も実家(猪苗代)の周辺で撮影した。
タイトルのsheerは透明なもの、blurは曖昧なものの意味とのこと。
Méme
京都駅の古いホームでスマホに熱中する人。駅構内に居る人々が好きで撮り続けるが、肖像権などの関係で人を撮る困難さに悩む。
Le boullet
タイトルはフランス語で弾丸の意味とのこと。発音はブレで写真はブレている。中途半端な流し撮り。車輪もチョン切れていて
典型的な失敗作。でも、ブレずに人を撮り続けて欲しい。
「朝日新聞出版写真部の70年」展へのお誘い 昭和45年卒・白谷達也
◎品川と銀座のキャノンギャラリーの同時開催となります。
★銀座は一週間ですが、品川は長目にやっています。
★展示内容は異なりますので両会場合わせてご覧いただければ幸いです。
★3月12日(土)午後4時から銀座会場で、稲村不二雄さん(昭和31年卒)と白谷達也さん(昭和45年卒)のギャラリートークがあります。
CANON GALLERY OPEN GALLERY 1&2(品川)
新年会を開催しました。 S48年卒・稲山正人
昭和32年卒の池田宏さんが写真集「南極」を出版されました
◎昭和32年卒の池田宏さんが写真集「南極」をGakkenから出版されました。 税別3、000円です。
氷の大陸、南極。何万年、何十万年の氷が創り出す美の記録。
南極に恋をして46年 1966ー2012年。
中学生のとき「僕は南極探検家になる」と決意して以来、24回におよぶ南極取材の集大成です。
【訃報】昭和34年卒の丸山好雄さんが亡くなっていたことがわかりました
◎昭和34年卒の丸山好雄さんが、長年患っておられた肺気腫で、昨年(平成26年)2月11日に亡くなられていたことがわかりました。ご冥福をお祈りいたします。
※【修正・追記】平成30年5月14日、ご家族からのご連絡がありましたので、本記事を修正・追記いたしました。(平成2年卒・金城)
早稲田祭合評会報告 平3 増田 智+
◎早稲田祭展合評会報告
2015.11.22「早稲田奉仕園」会議室
今回は幹事会メンンバー3名+S60卒の塩澤さんに加え、三田写真会の倉内宏勝さん(S35年卒)をお迎えしての合評会となりました。
きっかけは「第12回写真の早慶戦」開催記念パーティーの二次会でのことでした。
二次会会場の「新宿ライオン」で、倉内さんはブリューゲル、土門拳、ブレッソンなどの絵や写真のコピーを振り回し、相手構わず持論を展開されました。それまで何度かお目にかかっており、「随分熱心な方が慶応にもいらっしゃるなあ、稲門に来て欲しいなあ」と思っていましたので「合評会に来ていただけませんか」とお誘いした次第です。
真っ直ぐな性格で思ったことを正直にしか言えない倉内さんは、「早稲田人」以上に「早稲田人」らしく、歯に衣着せぬ講評を展開されました。ありがとうございました。
倉内さんにお願いしていました原稿が届きましたので、原稿に沿って報告します。
(ブルーの字は倉内さんの感想でブラックの字は稲門参加者の報告です)
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慶応日吉新人展と早稲田祭合評会
早稲田祭写真展報告 平3卒 増田 智
今年も早稲田祭写真展に行ってきましたので報告します。
早稲田には写真展を行っているサークルが3つあります。シャレードー、リコシャ、そして早大写真部です。
前2つのサークルは30点ほどのしかもA4サイズ以下の展示ですが、早大写真部は100数点を展示し大きさもA3ノビと規模としては圧倒的です。
作品も多岐にあたり見ていて面白いかったです。
来場者が1000人というのもうなづけます。
絶えず人が入ってきて人ところに留まって写真を見るものたいへんでした。
フォトブックもたくさんあって展示とは違いレイアウトしたり文章を入れたり、また壁面の写真と連動して表現しているのもよかったです。
「Factory tour」
今回の一番人気でした。デジタル独特の鮮やかな色が多くの人の足を止めさせていました。
撮影場所も全国に渡り、努力も感じられましたしご本人の場所場所での解説もおもしろかったです。
「一枚だけ」
上の写真の一部をアップしたものです。
デジタルから写真を始めたそうですが、フィルムに立ち帰って一枚一枚の重さを感じな がら撮ってみようという試みで今回はすべてブローニーフィルムでの撮影で壁面いっぱいに写真を並べたそうです。いつのまにやらカメラはピントも露出も色も 自動になってしまったなー、絵作りもまったく違ったものになってしまうのだろうなーと思ってみると意外と写真自体は我々の頃と変わっていないのが不思議で した。
「昏々」
一年生の時から作品を拝見していますが肩の力が抜けた写真が独特の雰囲気を醸しだいていて好感がもてます。
技術も上がって自分の気持ちをよりわかりやすく表現できるようになってきている気がします。
「一瞬の邂逅」 「Color」
新人展から見ていますがいろいろなジャンルに挑戦している姿勢が頼もしいです。努力も惜しまず制作してますし写真が楽しくてしょうがないのが伝わってきます。ぜひ自分にしか撮れないテーマを見つけてほしいです。
「Ideal world イデア界」
早大写真部のレベルの高さを示してきたWくんも卒業とのこと。ぜひ写真は撮り続けてほしいです。
次回は早稲田祭の作品合評会を行ったので報告します。
今年は慶応OBの倉内さんをゲストにお呼びして現役生にいろいろな話をしていただきました。